①市民の反応
既にこのようなキャンペーンに習熟されている断酒会もありますが、初めての経験となった箇所ではチラシの配布に戸惑うケースもあったようです。チラシの配り始めは要領が分からず、なかなか受け取ってもらえず困ったようです。それでも時間が経つと段々に慣れて、声に出して挨拶することで順調に捌けるようになり、予定時間よりも早く配布を終えたとの報告が多く見受けられました。市民の中には激励の言葉をくださったり、酒害相談をもちかけてこられた例も散見されます。総じて見ると、市民の反応は中都市の方がより親密的で大都市になるほど淡白なのはやむをえないことに思われます。
②警察・その他機関との連携
街頭キャンペーンを行なうには、所轄の警察署への許可申請から作業がスタートし交通安全協会の協力を得て幟などを借用するのが基本となります。既に長年の経験を有する断酒会は別として、初めての箇所では十分な事前のPRとともに日常の関係の深さが大切であることが認識されました。
・栃木では、一昨年に設立された栃木県交通安全対策協議会のメンバーになっていたことから県警の積極的な援助を得ることができました。 ・神奈川は、もともと県警が久里浜アルコール症センターと共同で飲酒運転問題に関する基礎調査に携わっており、キャンペーンには警察署員も加わりました。 ・和歌山でも県庁・県警からの参加を得ました。 ・大阪は県警と交通安全協会の全面的協力を得て2日間にわたり実施しました。 ・岡山県津山は周到な準備作業を重ね、津山警察署・津山市・有力商業施設の後援を得るなど大々的なセレモニーにまで盛り上げ大成功を収めました。このように断酒会のイベントが地域社会を大きな輪で取りこんでしまう例はあまりみられません。 ・福岡では、全断連のキャンペーンに先立ち、10月に行なわれた警察庁の飲酒運転根絶全国キャンペーン月間への参加を求められ、県警の要請に応じて2日間にわたり協力をしました。その結果、10日の全断連キャンペーンには警察・一般の参加を得ることができました。 ・その他、香川・宮崎でも県警・交通安全協会の参加・協力をいただいています。 ③マスコミの反応
飲酒運転問題に関する社会的関心の高さに比較して、断酒会の社会的認知度は未だマスコミの興味をひきつけるところまでは達しておりません。今後、より一層社会協力活動を展開し、それをPRしていくことが大切であると思います。とはいえ、本件は各地で取材を受け報道されました。 |
まとめ |
各断酒会の報告の中でも触れられておりますが、本キャンペーンは1年限りという性格のものではなく、今後、全断連の重要なイベントとして毎年のプログラムに組み込んでいく予定でおります。それが、明瞭な形での酒害啓発活動として社会貢献に繋がり、ひいては断酒会の存在意義を社会にアピールすることになると思います。同時に断酒会員の会員意識の向上と結束のためにもたらす効果は大きなものがあると考えます。 |