では、依存症はどこに位置しているのだろうか。
上記の10の要因とは、「うつ病」
・「家族の不和」・「負債」・「身体疾患」・
「生活苦」・「職場の人間関係」・
「職場環境の変化」・「失業」・「事業不振」・「過労」である。
一目で、どの要因も依存症が関係しているものであるか、逆に依存症に陥る原因であることが分かる。つまり、依存症とこれら自殺要因は縦糸と横糸の関係で絡み合っているとも言える。
統計上では、自殺既遂者に占める「うつ病」の比率は「アルコール依存症」の20倍である。海外のデータと比較すると、このようなことはありえない。
つまり、日本の統計調査の方法では、アルコール依存症による自殺は終点の「うつ病」の陰に隠れてしまっているのである。
このように考えてくると、アルコール依存症者の自立を支援することが、自殺予防対策問題にとって重要な課題の一つであることが分かる。